発泡スチロールの変わった事例


1、工業用ミシンの梱包材での苦労話
過去に取引先で会ったミシンメーカーの技術担当から「工業用ミシンは木箱梱包で輸出しているが、木箱は害虫除去のために燻蒸が必要だが燻蒸の有効期間は3ヶ月しかない。

輸出手続きの関係で何度も燻蒸したり木箱を作成する費用が高騰しているので、発泡スチロール梱包を検討したい」との相談がありました。

30~40kgの工業ミシンはすでに発泡スチロールの梱包材を使用していましたが、今回の工業ミシンの重量は約100kg、底面のベッド部分はメカがむき出しで面で受ける部分がほとんど無く、30倍の発泡スチロールでもフレームがめり込んでしまう状況で、アームの形状からも90kgのミシンを発泡スチロールで受けることが不可能でした。

色々相談した結果、段ボールに樹脂を染みこませた板でパレットを作成する事が出来、そのパレットにミシンをボルトで固定し台座とする。

側面は面で受けられるので発泡スチロールの30倍品で強度を出して緩衝材にする。輸出なので積み重ねも必要とのことで、四隅に樹脂を染みこませた四角の紙管で補強する。

この様な設計と他の部材と組み合わせることでお客様と一緒に要望を解決することが出来ました。

2、玩具・おもちゃ用の発泡スチロールパッケージの裏話
最近では玩具類は中国や東南アジアに生産が移り「MADE in JAPAN」が少なくなっています。
パッケージもブリスターパック等に切り替わり、発泡スチロールの利用が減ってきています。その様な現在の環境ですが、以前には多くの玩具類に発泡スチロールのパッケージが使われていました。そんな中でのパッケージ設計に関する面白い裏話を披露したいと思います。

超合金ロボットやトレインセット・変身セット等の玩具やおもちゃ用発泡スチロール梱包材が多く使われていた当時、おもちゃの大小様々な形状の部品がパッケージに収められます。

発泡スチロールは緩衝材であると共に断熱材でもあり、製造する際はなるべく均等な肉厚になるように設計します。梱包材の場合は入れる部品の大きさの違いによって肉厚に厚みの差が出来ます。発泡スチロールの肉厚が大きくなる部分には「肉抜き」と言う凹みを設けて余計な原料を使わず、冷却時間を短縮し製造コストを下げるような設計をします。

玩具の発泡スチロールパッキンの設計では、玩具の部品が入る面(表)からは絶対に肉抜きを行わず裏面から肉抜き設計をします。

「なぜ?」との疑問(最初は私も疑問に思いました。肉抜きは製造しやすいように両面から行うのが一般的な設計だったからです。)玩具類はオモテ面に凹みがあるとそこに部品が入っているはずで、肉抜きを知らない一般の方には欠品に見えるからなんだそうです。また、部品を詰め込むライン作業でも部品の詰め込みモレがあるかないかが一目で分かるので検査作業が楽との一面もあります。

普段何気なく使われるパッケージにもこんな隠れた設計が有るとの裏話でした。

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